人口推移は、中長期の未来を考える際、最も予測が立てやすく、予測幅の小さい事象の1つです。

現在日本では、生産年齢人口の減少や少子高齢社会など多くの人口問題を抱えています。

また、人口が都市部に集中する都市集中型社会となっています。

これらをどう改善するのかを分析する情報として人口推移を紐解く必要があります。

では、具体的に人口推移を分析することで何がわかるのでしょうか？

仕事などの経済環境

まず、人口が増えていれば、経済環境や労働環境への影響は大きくなるため、仕事が増える・仕事が減るなどの予測がしやすくなります。

また、少子高齢化が著しく進んでいるようなら、社会保障など市区町村の財政にも影響が出てきます。

さらに細かく人口の転入・転出をみると、今どの都道府県に人口が集まっているのか？ということも知ることが出来ます。

今後の人口推移

2015年国勢調査による10月１日現在の日本の人口は１億2709万4745人で、1920年の国勢調査開始以来、初めての人口減少となりました。

前回調査の2010年と比べると、人口は96万2607人減少しています。

この国勢調査の人口推移を見ると、今後も緩やかに日本の人口が減ることが予測されます。

人口が減れば、仕事が減り、給料や年金制度などの社会保障などにも影響が出ています。

高齢化社会の加速

新たに生まれる子供の数が減っていることで、日本全体の高齢化が進んでいきます。

2014年における65歳以上の高齢者人口は過去最高の3,300万人、高齢化率（総人口に占める割合）は26.0％と過去最高となっています。

また、65歳以上の高齢者人口は、1950年には総人口の5％に満たなかったが、1970年には国連の報告書において「高齢化社会」と定義された水準の7％を超え、1994年にその倍の水準である14％を超えて「高齢社会」と言われ、さらにその後も上昇を続けています。

2005年には20.2％と20％を超え、2013年には25％を超えました。2060年には約40％が高齢者になると予測されています。

このように、人口推移の分析は、人口問題を発見するために必要で、日本全体でなく市区町村レベルで見たときにその影響力は大きくなります。

都道府県や市区町村で他県から移住者を増やす施策などを試みていますが、効果の出ている市区町村は多くありません。

また、根本である少子化・高齢化も解決する必要があります。

人口推移の分析だけでは出来ること・わかることに限界はありますが、人口問題解決に役立てば良いと思います。